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ハーブの栽培と加工
ワークステーション夢工房

ハーブを育てることは「いのちを育てる仕事」
自然のパワーをいっぱいに浴びて育ったハーブで
みんなの心を癒したい

偶然出会ったハーブの世界

糸満市北波平の小高い丘の上にあるハーブ園、夢工房。
広々とした畑ではバジルやミント、カモミールなど様々な種類のハーブが栽培されています。

平成5年にワークステーション夢工房を立ち上げ、障がいを持つ人々に働く場を提供していた大城さんがハーブの魅力を知ったのは開所から1年後のことでした。
今でこそ家庭で手軽にハーブティーを楽しむようになっていますが、当時、沖縄ではハーブの効果についてそれほど知られていなかったことから、大城さん自身のハーブへの関心は薄かったといいます。
「鎌倉へ嫁いだ方と知り合い、その方から関東ではすでに医療にハーブを積極的に取り入れているという話を聞きました。その頃に沖縄で活動していたジャパンハーブソサエティの翁長周子さんと知り合いました」
ハーブの専門家である翁長さんは「沖縄でハーブの魅力を広められたら」という気持ちを持って居られた方でしたので、その時に相談を受け、大城さん自身もハーブについて学び始めました。

「はじめのうちは半信半疑でしたが、毎日ハーブの手入れをしたりハーブを使った食生活を続けているうちに、不思議と体調がよくなって、心も穏やかになりました。

ハーブには鎮静作用や血行促進作用、消化促進作用など様々な効能があり、貧血改善や冷え性改善、さらに花粉症や更年期障害にも効くとされています。
種類によって香りや効能が異なり、ひとつひとつ学んでいくうちにすっかりハーブの世界へ没頭していった大城さんは、無香料・無着色料・ノンカフェインのフレッシュハーブティーを製造・販売するようになりました。

植物の力で人を元気にしたいから
ドライハーブティー・ブランド「Hortis」をスタート

はじめのうちは不慣れな畑作業に戸惑ったり作業を嫌がることもあったという利用者も、ハーブの栽培を続けるにつれ、心穏やかに過ごせるようになっていったといいます。

「ハーブの香りやお茶の味が人を元気にすることを実感し、もっと多くの人にこの感動を分けてあげたいと思うようになりました」と話す大城さん。現在は、ハーブティーやハーブ石けんといったハーブ製品の開発と販売に力を入れています。

ワークエンジョイプロジェクトのサポートを受けて開発した「Hortis」は、ハーブと出会ってからこれまでの大城さんの研究や努力の結晶ともいえるドライハーブティー・ブランドです。沖縄の太陽と水、そして、作り手である大城さんたちの思いが育てた「Hortis は、効果を実感した人を中心にリピーターも増えています。また、とれたてのハーブを求めて農園を訪れる人も。ハーブそのものだけでなく、豊かな自然に囲まれた環境と大城さんの笑顔にパワーと癒しをもらって帰っていくそうです。

「ハーブはもちろん、植物の力は本当に素晴らしいんです。たとえば、大型台風の襲来で畑がめちゃくちゃになってしまい、落胆しているときでも、いつの間にか新しい芽が生えてきて、その生命力に勇気をもらえるんですね。障がいを持っていても、つらいことがあっても、元気に立ち上がれるんだ、という気持ちになれる。人間も植物も同じで、ひとりひとりが花を咲かせようと立ち上がればなんだってできるんです」と大城さんは力強く語ります。

常に支援者でなく当事者の目線で

「わたしは自分のことを支援者だと思ったことはないんですよと語る大城さん。
自らも当事者の目線になり、ひとりひとりとコミュニケーションを取ることを大切にしています。大城さんにとって、利用者の体調や状況をチェックすることは仕事ではなく日常の一部です。
「朝起きてすぐにハーブの様子を見ると、その日の状態がわかるんです。人間もやっぱり同じで、おはようと挨拶したその声や表情でだいたいわかってしまいます。人はみんな本心を隠そうとするけれど、障がいを持った人はわりと素直だから」
ハーブも人間も同じ命。命と向き合っていることを常に意識していなくてはならないということが大城さんのモットーです。
夢工房のハーブは、そんな大城さんと利用者たちの素朴でまっすぐな気持ちを受けて、今日もすくすく育っています。

Information

ワークステーション夢工房
住所 901-0312 糸満市北波平354-3
電話 098-992-0280
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